店主からのあいさつ
なぜスパイスと出汁なのか?
ハンス・セリエというカナダの生理学者が残した名言にこんなものがあります。
「ストレスは人生のスパイスである」
彼曰く、ストレスは人間の成長にとって必要不可欠なんだそうです。
こんな風に「刺激や作用をもたらすもの」の言い換えとして使われるほど、
スパイスは人々の食生活において重要な地位を占めていますよね。
日本食においても胡椒や唐辛子などは身近な存在ですが、
スパイスについての研究を始めてからというものの、日々その奥深さに感銘を受け続けています。
素材の様々な表情を引き出してくれるだけでなく、
血行促進や新陳代謝の向上、リラックス効果に疲労回復など、僕たち人間のカラダに多種多様な作用をもたらしてくれるスパイスたち。
そんなスパイスと並んで、僕が情熱を注いでいるもの。
それが出汁です。
出汁の世界に魅了されたのは、新地の和食料理店で修行していた時のこと。
経験豊富な先輩方からの惜しみない指導のもと、初めて自分で出汁をつくりました。
手間ひまをかけ、ようやく完成した出汁を一口飲んだ時の衝撃!
自然由来だからこその豊かなフレーバーと優しく残る余韻が与えた感動は今でも忘れられません。
料理に対する僕の想い
実は高校を卒業してからずっと建設業界で働いていました。
そんな僕を料理の世界に誘ったのは、フレンチのレストランを舞台にしたアニメーション映画『レミーのおいしいレストラン』。
「自分もこんな美味しい料理をつくってみたい!」という一心で23歳の時に飲食業界に飛び込んだのでした。
情熱の赴くままに和食料理店や洋食店で修行を重ね、
その先々で出会った人々、食材や調理法の影響を受けてきました。
そして現在たどり着いたのが「出汁×スパイス」が見せる可能性の追求というスタイルです。
旬の食材の美味しさを、自然由来の出汁とスパイスでどのように引き出していくか。
僕自身が食を追求していく中で出会った驚きと感動をみなさまにお伝えする場、
それが「季喜」です。
生産者さまとお客さま、そして四季の巡りを料理でつないでいく。
季喜の料理を食べてくださった方のカラダが整い、ココロも喜ぶ。
みなさまの生活にとって必要不可欠な存在になれるよう、毎日気持ちを込めて料理をつくっています。